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情報処理技術者試験ナビ

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PM 23特 午後Ⅰ 問1

問題

システム開発プロジェクトにおけるスケジュール管理に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 S社は,大型製造装置の設計から施工までを請け負うエンジニアリング企業である。大型製造装置の設計から施工までの業務は,本社,現場事務所,協力会社などで,設計ドキュメントを確認しながら進める必要がある。そこで,クライアントサーバ型のT社製の文書管理ソフトウェアパッケージに様々な機能を追加開発した設計ドキュメント管理システム(以下,現EDMSという)を使い,業務を遂行してきた。設計データの整合性を保つために,本社のサーバと現場事務所,協力会社の事務所などの拠点に設置しているサーバの間で,夜間バッチ処理によってデータを複製して運用してきたが,次のような問題が顕在化してきた。

  • 拠点間でデータがリアルタイムに共有できない。
  • 拠点ごとにサーバの構築や運用支援が必要であり,拠点の運用要員の負荷が 大きい。
  • 文書管理ソフトウェアパッケージはWebに対応した新しいバージョン(以下,新バージョンという)が既に発売されており,今後,現EDMSが使っているバージョン(以下,旧バージョンという)のサポートが受けられなくなる。

 S社は,これらの問題を解消するために,本社にサーバを設置し,各拠点からはインターネットを経由して本社のサーバ上にあるデータを利用する新しい設計ドキュメント管理システム(以下,新EDMSという)を構築するプロジェクトを立ち上げた。構築に当たっては,文書管理ソフトウェアパッケージの新バージョンへの移行も併せて行う。プロジェクトマネージャは,S社情報システム部で,現EDMSの開発を担当したK氏が担当することになった。新EDMSの利用者となる事業部門からは,次の大型製造装置の設計開始が予定される1年後までに開発を完了させるよう要請を受けている。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)は,プロジェクトの遂行に当たって,適切なプロジェクト管理技法を用いて,プロジェクトを成功裏に進めることが求められる。
 本問では,プロジェクト管理技法の基本であるWBSを作成するための成果物の要素分解,ネットワークスケジュールの作成方法やドキュメントレビューの観点などを問うことによって,PMとしてのプロジェクトの遂行能力,プロジェクト管理技法に関する知識や実践能力などを評価する。

採点講評

 問1では,プロジェクトのスケジュール管理技法の基本的な知識と実践力について出題した。ネットワークスケジュールの作成方法や,クリティカルパスがプロジェクトの状況に応じて変わっていくことなどについては,よく理解されていた。
 設問1⑵は,プロジェクトの作業項目の設定に当たって成果物を洗い出す目的を問う設問であったが,本文からスケジュール策定の手順の部分を引用しているだけの解答が目立った。成果物を網羅的に洗い出すことで作業項目を漏れなく定義するという目的を理解しておいてほしい。
 設問2⑵,⑶はプロジェクトのリスク要因を把握しているか,その影響の出現をどう監視し,どのように防止するかを問う設問であった。“新バージョンの開発スキルをもった要員が確保できていない”というリスク要因を理解しながら,“品質が確保されているか”というチェックポイントが明示されていない解答が見られた。常にリスク要因とその影響,どのように防止するかを関連付けて理解し,プロジェクト管理の視点に組み込む習慣を身につけてほしい。