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情報処理技術者試験ナビ

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PM 25春 午後Ⅰ 問3

問題

システム開発プロジェクトの企業合併に伴う計画変更に関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。

 A社は,東京を中心に,東日本を主な商圏とする中堅のアパレル企業である。A社では,業務プロセスを一新して業務効率を飛躍的に改善するための全社活動を半年前から進めてきた。その結果,V社のERPパッケージ(以下,V社ERPという)を導入し,基幹システムを更改する開発プロジェクト(以下,A社プロジェクトという)を開始させた。プロジェクトマネージャ(PM)には情報システム部のB部長が任命された。現在は2か月間の要件定義が終了したところである。更改する基幹システムは来年4月に稼働する計画である。A社プロジェクトの開発スケジュールを図1に示す。

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 V社ERPは操作性に優れ,標準で用意されているアパレル業向けのテンプレートは,ベストプラクティスとして業界での評価も高い。A社の業務効率を改善するための全社活動でも,V社のコンサルタントの支援を受けて,このテンプレートに沿って業務プロセスを見直してきた。当初は,現行の業務プロセスを変更することに業務部門が抵抗感を示した。その後,V社のデモ環境を使用して検討を繰り返すうちにテンプレートの社内評価も高まり,業務部門が納得して,A社プロジェクトの要件定義は順調に完了した。

 

〔合併準備委員会の基本方針〕
 最近,A社は,以前から業務提携している同業で中小規模のM社と,1年後に032合併することを決定した。M社は,大阪を中心に関西地方に顧客基盤をもっており,A社はこの合併を機会に,全国規模の企業へ発展しようと計画していた。
 M社は,独自に開発した基幹システムを使っているが,稼働後10年近く経過して老朽化が目立ち,システム更改の時期を迎えていた。M社では,自社の基幹システムに精通し,業務にも明るいシステム管理課のN課長が中心となって,システム管理課の要員で業務部門からの要望に常に対応してきたものの,業務部門からは,基幹システムを一新し業務プロセスを改善して効率向上を図りたいとの意見が強く上がっていた。
 両社の経営層が参加する合併準備委員会が組織され,次の基本方針を決定した。
 ⑴ 現在更改中のA社の基幹システムを合併後の基幹システム(以下,新システムという)とする。
 ⑵ 合併後は新システムの業務プロセスに統一する。
 ⑶ 新システムへの移行に必要なコストは,合併に伴う費用として予算化する。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 システム開発プロジェクトの進行中に,プロジェクトの外部環境の変化による影響でプロジェクトの計画を変更せざるを得なくなる場合がある。プロジェクトマネージャ(PM)は,状況の変化に柔軟に対応し,プロジェクトの目標を達成しなくてはならない。
 本問では,企業合併によるスケジュール変更という制約の中で,プロジェクトへの影響の分析や,全体計画の変更とリスクへの対応について,PMとしての実践的な能力を問う。

採点講評

 問3では,システム開発プロジェクトの企業合併に伴う計画変更を題材に,プロジェクトの外部からの影響によるスケジュールの変更やリスクへの対応について出題した。
 設問2⑴では,V社ERP導入と追加開発のスケジュールを決める大きな要因は開発スコープである。業務プロセスを統一するのであれば開発スコープは変わらず,その場合はスケジュールに大きな変更は生じないという状況設定に沿って解答してほしかった。“業務プロセスを統一するから”という設問の記述を転記した解答が散見されたのは残念だった。
 設問4⑴では,M社の定期改修を中止するよう調整した理由について問うた。B部長にとって1月末までに移行方式設計・移行ツール開発を完了させることが重要であり,それを実現するためには要員が不足することと要員が不足する原因が問題文に記述されているので,それを読み取って解答してほしかったが,正答率は低かった。また,“データ仕様の凍結の他に”と条件が明記されているにもかかわらず,データ仕様の変更に起因する手戻りに関して記述している解答が目立った。