読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

情報処理技術者試験ナビ

当サイトは準備中です。

PM 25春 午後Ⅰ 問4

問題

ソフトウェア開発の遂行に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 P社は,ソーシャルネットワーキングサービス(以下,SNSという)を提供している企業である。SNS市場はユーザ数の爆発的増加を背景に,新規サービスの開発ユーザの獲得競争が激しくなっている。P社では,自社サービスの競争力を強化するために,競合他社に比べて機能面と見栄えの点で見劣りしているスマートフォン向けのアプリケーションソフトウェア(以下,モバイルアプリという)を一新するモバイルアプリ開発プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトマネージャ(PM)には,開発部モバイル開発課のQ課長が任命された。開発部長からは,プロジェクトの主要な目標として,次の事項が示された。

  • 期限までに確実に,新しいモバイルアプリを市場に提供すること
  • 社内の関係者の知恵を集めて,魅力あるユーザインタフェースのモバイルアプリを開発し,顧客満足度を向上させること
  • 今後想定される新規端末の発売,OSの更新といった変化,及びユーザからの改善要望に対して速やかに対応できるように,十分な保守性を確保すること

 Q課長は,プロジェクトの開発計画の立案に当たって,ステークホルダの特性を整理した。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)は,プロジェクトの遂行に当たり,まずステークホルダの特性を分析し,ステークホルダに関連するリスクを適切に識別しなければならない。次に識別されたリスクに対して,ステークホルダの協力を得ながら,適切に対応していく必要がある。
 本問では,組込みソフトウェアの開発を題材に,ステークホルダに関連するリスクへの対応について,PMとしての実践的な能力を問う。

採点講評

 問4では,スマートフォン向けのアプリケーションソフトウェアの開発を題材に,ステークホルダに関するリスクの識別とその評価,対応について出題した。
 設問1では,顧客満足度の向上を最優先とするステークホルダへのプロジェクトマネージャ(PM)の対処が,副作用としてプロジェクトにとって適切でない状況を生み出すおそれがあるとして,その内容を問うた。“開発規模が増大し,品質不良や納期遅延が発生する”など,ステークホルダの特性として書かれている問題文の記述をそのまま転記する解答が多かった。PMの対処を踏まえた上で,踏み込んで解答してほしかった。
 設問2⑴では,委託先の管理者にプロジェクトマネジメント業務の一部を委託するPMの目的を問うた。この委託先と初めての取引であること,詳細設計以降は請負契約となること,PMは請負契約部分に関して念のため事前に確認しておくべきことがあると考えていること,という状況設定から,どのようなリスクを想定し,この行動が何を目的とするのかを考えて解答してほしかった。しかし,単に“PMの負荷を軽減するため”といった解答があったのは残念だった。また,“問題の早期発見と対処”,“状況の正確な把握”など,対象とする工程が不明確な解答も多かった。PMは,様々な特性をもった多様なステークホルダに対応する必要がある。論理的で明解な表現力を身に付けてほしい。