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PM 26春 午後Ⅰ 問3

問題

生産管理システムの再構築に関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。

 A社は,SI企業である。製造業のH社から,生産管理システムの再構築プロジェクト(以下,H社プロジェクトという)を受注することになり,現在,3月からの作業開始に向けて計画を策定している状況である。
 H社の生産管理システムは,10年以上前に自社開発したシステムを過去数回にわたり改修してきたもの(以下,現システムという)である。これまで現システムを保守していた担当者が6月末で退職することもあり,自社で維持できなくなることから,外部のSI企業に再構築を委託することになった。再構築に当たっては,現システムの業務機能は変えずに,アーキテクチャを刷新した新しいシステム(以下,新システムという)へ移行したいとのことであった。また,生産実績の状況を照会できる拡張機能も開発したいとのことであった。新システムのイメージを図1に示す。

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 H社では,年末年始の休業の時期にしかシステムの移行ができないという制約があるので,開発期間は10か月である。H社プロジェクトのプロジェクトマネージャ(PM)には,生産管理システムの経験が豊富なA社のB氏が任命された。B氏は,A社の過去のプロジェクト完了報告書から,類似のシステムのスケジュールを参考にして,図2に示すH社プロジェクトのスケジュール案を作成した。

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IPA公開情報

出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)は,システム開発プロジェクトにおいて,顧客の要求の背後にあるリスクを察知し,適切に対応をとる必要がある。
 本問では,“現行システムの仕様どおり”という要求に対する契約面,スケジュール面などでの対応を問うことで,PMのリスク対応能力を評価する。

採点講評

 問3では,生産管理システムの再構築を例にとり,“現システムの仕様どおり”という要求に内包されるリスクの認識と,契約面,スケジュール面などでの対応策について出題した。全体的に正答率は高かった。
 設問2では,“現システムの業務機能は変えず”という,実際には明確になっていない仕様ではなく,新たに作成した外部設計書の仕様に基づいた請負契約とすることがリスクを回避する上で重要である点を理解してほしかった。“明確になっていない現システムの仕様をできる限り取り入れる”という姿勢は,結果としてスコープを確定できず,大きなリスクとなることを理解してほしい。
 設問4⑴では,総合テストにおいて本番データによるテストを実施しても,必ずしも現システムの仕様の全てのケースを網羅していないという観点から解答してほしかったが,現システムの設計ドキュメントが改定されていないなど,設計段階の課題に関する解答も目立った。プロジェクトの状況に応じたリスク対応の視点を持つ習慣を身に付けてほしい。