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情報処理技術者試験ナビ

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PM 28春 午後Ⅰ 問1

問題

プロジェクトのリスク管理に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 J社は,プラントで石油化学製品を製造する企業である。J社製品に対する需要は伸び悩み,プラントの運転に係る業務の効率向上と費用の削減が求められている。また,ベテラン作業員の退職に伴う若手作業員への技術継承が課題となっている。一方で,プラントは重要な社会基盤であり,安全で安定的な運転が求められている。具体的には,プラントを運転しながら行う日常の設備の点検や補修作業(以下,日常点検という)は,多くの作業を手際よく進める必要があるが,点検を行う設備に対する作業手順を間違えるとプラントの停止につながりかねないので,決められた手順に沿った確実な作業実施が求められる。
 このような状況に対応するために,J社は,これまで使用してきた設備管理システム(以下,現システムという)に代えて,通信機能を搭載したタブレット端末を活用して,日常点検を支援する,新たな設備管理システム(以下,新システムという)を開発するプロジェクトを立ち上げることにした。開発期間は1年で,年末年始のプラントの停止期間中にシステムを切り替えるので,スケジュールの遅延は許されない。プロジェクトマネージャ(PM)はシステム部のK氏である。

 

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出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)には,プロジェクトの計画策定において,様々なリスクを想定し,その対応策を計画へ反映するプロアクティブな対応が求められる。
 本問では,プロジェクトへの要求事項や特性を把握した上で,リスクを考慮してどのように計画へ反映するか,機能の追加要求に対応することに伴うリスクをどのように把握し,個別リスクに対応するかについて,PMとしてのリスク対応の基本的な知識,経験を問う。

採点講評

 問1では,プロジェクトのリスク管理について出題した。全体として正答率は高く,おおむね正しく理解されていた。
 設問1では,早い段階からステークホルダの協力を得て,協働して開発を進めた狙いを問うたが,“スケジュール遅延を防ぐ”などのように一般論の解答が散見された。新たな業務プロセスの導入に起因するスケジュール遅延リスクの軽減が目的であることを,理解してほしかった。
 設問2⑸では,現システムのデータの整理・検証を徹底して行うことで回避しようとしたリスクを問うたが,“テストがうまくいかない”などの一般論の解答が多かった。入力間違いや入力漏れのあるデータが移行されることによって発生する,正しい点検票が表示されないというリスクを正しく指摘してほしかった。
 設問3では,追加要求に対応することで抱え込む,開発工数が増えること以外のリスク要因を問うたが,結果の事象だけを記述してリスク要因を正しく記述していない解答が多かった。取引実績のないZ社に開発を委託しなければならないというリスク要因を抱え込む点を正しく認識してほしかった。