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PM 28春 午後Ⅰ 問2

問題

プロジェクトにおけるコミュニケーションに関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 システム開発会社のP社は,10年前に開発した放送事業者A社の放送番組編成支援システムの追加開発を担当している。追加開発は,A社との間で請負契約を結んで,半年サイクルで継続的に実施している。このシステムの特徴は,他の複数のシステムと連携していることから,A社の現場部門や他システムの担当者など,ステークホルダが多いことである。
 長期にわたってこのシステムを担当してきたP社のプロジェクトマネージャ(PM)が退職することになり,後任のQ課長がPMとして追加開発を担当することになった。開発チームはこれまでどおり,リーダであるR主任を含むメンバ8人から成る体制を継続する。
 Q課長は,着任に当たって過去のプロジェクトの実績を確認するとともに,開発チームやステークホルダにヒアリングを行ってこれまでの状況を把握し,次のように整理した。

  • 前回の追加開発(以下,前回開発という)をはじめ過去の追加開発でも,何回か大きな手戻りが発生しており,A社,P社とも,何らかの対策の必要性を認識している。
  • A社のステークホルダは,P社に対して不満をもっている。
  • P社の開発チームは,十分なチームワークを発揮できていない。

 Q課長は,これらの状況を生んだ根底にはコミュニケーションに関する問題がある。と考え,改善を検討することにした。

 

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出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)は,ステークホルダのニーズと期待を満たすために,適切なコミュニケーション計画を立案し,その計画に則って,プロジェクトを適切に運営する必要がある。
 本問では,過去にコミュニケーションに関する問題を抱えたチームによるプロジェクトを題材として,ステクホルダとの情報共有や,プロジェクト内部のコミュニケーション計画の改善について,PMとしての実践的な能力を問う。

採点講評

 問2では,コミュニケーションに課題を抱えたプロジェクトを題材にして,顧客とのコミュニケーションやチーム内のコミュニケーションをどのように捉え,どのように改善していくか,について出題した。チーム内のコミュニケーションについて問うた設問3は正答率が高かったが,顧客との関係の改善について問うた設問1⑵,設問2⑵は正答率が低かった。
 設問1⑵では,請負契約における発注者の責任を意識して解答してほしかったが,“A社システム部が要求のとりまとめを行う”など,部分的な作業分担に限定した解答が多かった。また,“不記載・未提示要件は対応しない”という解答もみられたが,顧客満足を回復することを目指しているこのプロジェクトマネージャ(PM)の状況を考えれば,このような紋切り型の対応だけでは不十分なことを,理解してほしかった。
 設問2⑵では,A社システム部のニーズがどこにあるか,その緊急度や重要度を意識して解答をしてほしかったが,状況にふさわしくない僅かな効率化や,顧客の意図にそぐわない効率化を解答するものが目立ったのは残念だった。PMにとって,顧客の視点は常に忘れてはならないものである。改めて認識してほしい。