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情報処理技術者試験ナビ

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PM 28春 午後Ⅰ 問3

問題

プロジェクトの進捗管理及びテスト計画に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 不動産会社のD社は,H社のソフトウェアパッケージ(以下,H社パッケージという)に一部機能を追加開発した人事給与システム(以下,現行人事給与システムという)を10年前から利用している。H社パッケージの現行バージョンは保守期限が迫っている。また,現行人事給与システムが対応していない出退勤管理業務,休暇・残業申請業務などに対する社員のシステム化ニーズは強い。これらの点を考慮して,D社経営陣は現行人事給与システムを刷新することにした。
 人事部が中心となって要件定義を行い,RFPを提示して複数のベンダから提案を受けたところ,S社のソフトウェアパッケージ(以下,S社パッケージという)が要件への適合度が最も高く,他社で多くの導入実績及び類似の追加開発実績を有していた。経営陣は,S社パッケージに一部機能を追加開発する人事給与システム(以下,新人事給与システムという)の外部設計,移行ツルの設計・製造・テスト,データ移行及び総合テストを準委任契約で,内部設計,追加開発の製造・単体テスト,結合テスト,S社パッケージの設定・テストを請負契約でS社に委託することを決定した。また,現行人事給与システムの利用者は人事部だけであったが,新人事給与システムでは出退勤管理業務,休暇・残業申請業務などのシステム化によって全社員が利用者となる。そこで,操作マニュアルの作成,及び全社員を対象とする操作説明会を行う利用者トレーニングもS社に準委任契約で委託することにした。
 S社は,新人事給与システム設計・開発プロジェクトのプロジェクトマネージャ(PM)にT課長を任命した。T課長は新人事給与システム設計・開発プロジェクト計画を立案し,D社経営陣の承認を得た。スケジュールは図1に示すとおりである。

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 本プロジェクトは,H社パッケージの保守期限までに確実に新人事給与システムを稼働させる必要があること,及びH社パッケージからの切替えであり,利用者トレーニングを十分に行う必要があることから,遅延は許されない。そこで,T課長はEVM(Earned Value Management)手法を用いて進捗を定量的に可視化して管理することで遅延リスクへの対応を行うことにした。また,D社の経営陣に少なくとも月1回開催するプロジェクト全体会議で進捗状況,リスク及び課題を報告し,対応策を確定させることにした。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 プロジェクトマネージャ(PM)は,プロジェクトを構成する個々の作業の進捗状況を把握し,ボトルネックとなっている箇所を特定して対策を採る必要がある。
 本問では,人事給与システムの設計・開発の外部設計における進捗管理を題材に,進捗状況の把握及び進捗遅延箇所に対する対応策の立案,潜在する品質リスクへの対応のためのテスト工程における施策の追加について,PMとしての実践的な能力を問う。

採点講評

 問3では,EVMを用いた進捗管理を行っていく過程で,進捗遅延に対しどのように対応するか,潜在する品質低下リスクをどのように回避するかなどについて出題した。設問1,設問2⑸,設問3⑴の正答率が低かった。
 設問1では,表1から,人事外部設計チームの時系列的な変化に着目して解答してほしかったが,4週間目の時点だけの遅延に着目する解答が散見された。また,EVMの各指標値の定義を適切に理解できていないと思われる解答も散見された。
 設問2⑸では,クリティカルパスに着目し,設計要員の追加投入を行わないと遅延回復が困難な状況であることを解答してほしかったが,スケジュール遅延拡大だけの解答や,進捗ではなく結果であるマイルストーンが守れそうにないという解答が多かった。状況判断においては,明確な判断基準を用いることが重要であることを理解しておいてほしい。
 設問3⑴では,“課題管理対象となった課題が全て解決していることの確認”などの課題管理表の一般的な利用方法に関する解答が目立った。“仕様確定に手間取った箇所もその都度,課題管理表に記録している”点を踏まえ,どのような品質低下リスクを回避できるのかを考えて解答してほしかった。